超小型PCラズベリーパイとは?【13の特徴を解説】

超小型PCラズベリーパイとは?【13の特徴を解説】
  • ラズベリーパイが何か簡単に教えてほしい
  • 超小型のメリットって何?
  • 普通のパソコンとの違いが知りたい

累計販売数が4,600万台を超え、世界的なヒット商品となっているラズベリーパイ(通称:ラズパイ)。しかし、日本での知名度は低く、ラズベリーパイといえば食べ物を想像する人がほとんどでしょう。

僕はラズベリーパイでさまざまな電子工作の作品を作ってきました。仕事でもラズパイを導入して、業務の効率化に役立てています。

そぞら
そぞら

当記事では、ラズベリーパイの特徴について、13の視点から徹底解説しています。

この記事を読めば、ラズベリーパイがヒット商品になった理由がわかるはずです。

チェックポイント

ラズパイはただの小型パソコンではありません。ラズパイの最大の魅力は、さまざまな外部パーツをつないで機能を無限に拡張できることです。

ラズベリーパイの特徴

ラズベリーパイはすごく簡単に言うと、基板むき出しの超小型コンピューターです。ディスプレイやテレビと接続することで、パソコンとして利用できます。

ラズベリーパイはシングルボードコンピューター

ラズベリーパイはシングルボードコンピューターと呼ばれる製品の一種です。シングルボードコンピューターは1枚の基板(シングルボード)に配置された多数のコネクターに周辺機器をつないで使用します。

ラズベリーパイに外部機器を接続している様子

あらかじめプログラムを組んでおけば、キーボードやマウスを取り外した状態でも、電源を供給するだけで目的の動作をさせることが可能です。ラズパイは電力消費量が少ないため、連続稼働させるのに適しています。さらに、小型なので設置の自由度が高いというメリットもあります。

インターフォン自動応答ロボット

上記の写真ではラズベリーパイを「インターフォン自動応対ロボット」として活用しています。動作内容は以下の通りです。

  1. インターフォンのチャイムをUSBマイクで検知
  2. サーボモーターで通話ボタンを押す
  3. スピーカーでメッセージをしゃべらせる
  4. サーボモーターで通話ボタン押して通話終了

ラズベリーパイは低価格

ラズベリーパイは英国のラズベリーパイ財団により、教育目的で開発されました。2012年の発売以来、さまざまなモデルが登場しており、数千円~1万円前後で購入可能です。

チェックポイント

ラズベリーパイ財団は組織の特性上、国や企業から出資や寄付を受けています。さらに部品を格安で調達できるため、低価格が実現しています。

ラズパイが安い理由は以下の動画で詳しく解説されています。

ラズベリーパイの生産体制を以下にまとめました。

Raspberry Piの生産体制の図解

製造はOKdoelement14が請け負っており、イギリスや日本、中国などの工場で生産されています。

名前の由来

ラズベリーパイのラズベリーは果物のラズベリーです。かつてのコンピュータは果物の名前を付けるのが一般的でした。ラズベリーパイは、あえて昔のコンピュータを連想させる名前が付けられています。そして、パイはプログラミング言語Pythonのパイです。

ラズベリーパイ財団の創業者Eben Upton氏は考えました。子供たちが生身のコンピュータに触れる機会は減っている。昔のように、プログラミングを思う存分楽しめるコンピューターを作りたい。ラズベリーパイはUpton氏の強い熱意により誕生しました。

CPUはARM

ラズベリーパイはARMのCPUが採用されています。ARMはスマートフォンやタブレットなどに使われているCPUです。ARMは以下の特徴があります。

  • 小型
  • 省電力
  • 性能は低い

上記の特徴はまさにラズベリーパイの特徴そのものといえます。消費電力と性能の関係はトレードオフです。上位モデルであるRaspberry Pi 4は消費電力が高くなります。このため、電源(ACアダプター)の選定に注意が必要です。

モデル名CPUコアクロック周波数推奨電源
Raspberry Pi ZeroARM1176JZ-F11.0GHz5V / 1.2A
Raspberry Pi 3ARM Cortex-A5341.2GH5V / 2.5A
Raspberry Pi 4ARM Cortex-A7241.5GHz5V / 3.0A

教育、産業、ホビーで活躍

ラズベリーパイはさまざまな場面で活躍しています。教育分野でも用いられており、工業高校や大学の授業でラズパイが登場するそうです。産業分野では、工場の自動化などに使われているほか、回転すしチェーンの「くら寿司」で活用されていることが有名です。

ホビー分野においても、ラズパイは電子工作愛好家から絶大な支持を受けています。インターネット上にもさまざまな作例が公開されており、見てるだけで楽しくなります。

多彩な選択肢

ラズベリーパイはさまざまな種類があります。大きく分けると、基盤むき出しのシングルボードコンピュータ型とキーボードに基盤が内蔵されているキーボード一体型に分類されます。キーボード一体型はRaspberry Pi 400の一種類です。

シングルボードコンピューター型は基板サイズにより、Zero、Model A、Model Bに分類されます。

ラズベリーパイは豊富なラインアップの中から、使うシーンや予算などに合わせて最適なモデルが選べます。

チェックポイント

2022年7月現在、半導体不足の影響により、多くのモデルが入手困難な状況となっています。



Pi Zero


Pi Zero WH

Pi Zero 2W

Pi 3 Model A+

Pi 3 Model B

Pi 3 Model B+

Pi 4 Model B
Pi 400
CPU 1GHz 1GHz 1GH 1.4GHz 1.2GHz 1.4GHz 1.5GHz 1.8GHz
メモリ 512MB 512MB 512MB 512MB 1GB 1GB 2GB/4GB/8GB 4GB
有線LAN
無線LAN
Bluetooth
サイズ 65×30mm 65×30mm 65×30mm 65×56mm 85×56mm 85×56mm 85×56mm 286×122mm
参考価格
(スイッチサイエンス)
660円 2,156円 2,508円 3,300 5,775円 5,775円 2GB:6,413円
4GB:7,700円
8GB:10,340円
10,725円
Raspberry Pi主要モデルスペック

ラズベリーパイの選び方について、以下の記事で詳しく解説しています。
≫【初心者におすすめ】失敗しないラズベリーパイ入門機の選び方

microSDカードがストレージ

ラズベリーパイには内部ストレージがありません。

そぞら
そぞら

ラズベリーパイは市販のmicroSDカードをストレージとして使用します。

コンピューターを動かすためのベースとなるOS(Operating System)についても、microSDカードにインストールします。

このため、ラズベリーパイを使用する前にはOSmicroSDカードインストールする作業が必要です

OSを自分でインストールする

ラズベリーパイは市販のmicroSDカードにOSをインストールして使用します。Raspberry Pi OSというLinuxベースのOSを使うのが一般的です。

Raspberry Pi OSのメインメニュー

Raspberry Pi OSはラズベリーパイ公式OSとして無料で提供されています。Windows OSに近い感覚で操作できるので、初心者でも扱いやすいOSです。

Raspberry Pi OSの特徴について、以下の記事で詳しく解説しています。
≫「Raspberry Pi OS」とは?特徴や種類・選び方を解説

豊富なインターフェース

代表的なモデルであるRaspberry Pi 4のインターフェースを以下にまとめました。

裏面にはSDカードスロットを備えています。

小さな基盤の周囲にギッシリと並んだインターフェース。これらがラズパイ活用の幅をグンと広げています。ラズベリーパイでできることを以下にまとめました。

ラズベリーパイでできることの図解

ラズベリーパイを使ってできることについて、以下の記事で詳しく解説しています。
≫ ラズベリーパイできること!活用事例5選

電子工作に必須なGPIOピン

電子工作とはLEDやモーター、センサーなどの電子パーツを組み合わせて独自の作品を作ることです。例えば、人感センサーが反応したときにモーターを動かして照明のスイッチを付けるといった作品が作れます。

ラズベリーパイにはGPIOピンと呼ばれる40本のピンが付いています。このピンに電子パーツを接続すると、プログラミングで操作できるようになります。

GPIOピンの写真

GOIOピンに接続できる電子パーツを以下にまとめました。

  • LED
  • センサー
  • GPSモジュール
  • モーター
  • 小型ディスプレイ
  • スイッチ

便利なWi-Fi

ラズベリーパイはほとんどのモデルでWi-Fi(無線LAN)が使えます。インターネットに接続できるだけでなく、Wi-Fiを利用した便利な使い方ができます。それは、VNC(Virtual Network Computing)という仕組みを利用して、ラズパイを別のパソコンから遠隔操作する使い方です。

VNCの使用例の図解

VNCを利用するメリットは、ディスプレイやキーボードなどを接続しなくてもラズパイを操作できることです。Wi-Fiが繋がる場所であれば、別の部屋にあるラズパイを操作することも可能です。

Bluetoothも使える

ラズベリーパイではほとんどのモデルでBluetoothが扱えます。キーボードなどのBluetooth対応製品が使えるだけでなく、Bluetoothを利用した電子工作が楽しめます。

例えば、ゲーム機「Switch」のコントローラー「Joy-Con」はBluetooth通信を利用しています。ラズベリーパイとペアリングすれば、ボタンを押したときの信号を読み取れます。

ボタンの信号を受信したときにモーターを動かすプログラムを組めば、ラジコンも作れます。

ラズベリーパイのデメリット

残念ながらラズパイは万能なマシンではありません。ここからはラズパイのデメリットについて解説します。

そぞら
そぞら

特性を理解して使用すれば、ラズパイの魅力を最大限に引き出せます。

性能は値段相応

ラズベリーパイはほとんどのモデルが数千円~1万円前後で購入できます。高性能・低価格で有名なラズパイ。しかし、実際に使ってみると、上位モデルであるRaspberry Pi 4でもパワー不足を感じることがあります。主要モデルの起動時間をまとめました。

モデル名参考価格起動時間

Raspberry Pi Zero WH
2,200円2分29秒

Raspberry Pi 4 4GB
8,800円50秒

Raspberry Pi 400
11,264円38秒

ラズベリーパイは普通のパソコンとほぼ同じことができます。とはいえ、さまざまな作業をラズパイ1台でこなすのはスペック的に厳しいです。僕はプログラミングや電子工作など、ラズパイならではの使い方を推奨します。

ラズパイならではの使い方について、以下の記事で詳しく解説しています。
≫ ラズベリーパイできること!活用事例5選

入手性が悪い

ラズベリーパイは営利目的で販売されていないため、生産台数に限りがあります。さらに近年では、産業分野での需要が急増しており、一般ユーザーには入手しにくい状況が続いています。

2022年4月4日に公開されたEben Upton氏のブログで、ラズパイの流通状況について語られています。内容を要約して以下にまとめました。

  • Raspberry Pi 4のチップは入手しやすい
  • 現在のラズパイ不足の原因は供給不足ではなく需要の増加によるもの
  • 転売対策のため購入制限を実施している
  • 個人よりも企業に優先して供給している
  • Raspberry Pi 400Raspberry Pi Picoは在庫は安定している

壊れやすい

ラズベリーパイは安価で手軽に導入できる反面、普通のパソコンよりも壊れやすいです。取り扱いには注意が必要です。

故障の主な原因はmicroSDカード

ラズベリーパイはmicroSDカードをストレージとして利用しています。

そぞら
そぞら

microSDカードが壊れると起動できなくなります。

この場合、microSDカードを初期化するか新品にすれば再度使用できますが、データーは復元できません。microSDカードの故障トラブルを回避するために以下の対策が必要です。

  • microSDカードは信頼できる製品(メーカー)を選ぶ
  • 正しい手順でシャットダウンする(SDカード書き込み中にシャットダウンすると壊れる)
  • 定期的にデータのバックアップを取る

microSDカードなど、周辺機器の選定方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
≫【失敗しない】ラズベリーパイに必要な周辺機器の選び方

故障リスク軽減のためにケースを利用

そぞら
そぞら

ラズベリーパイは子供が使用することを想定しており、丈夫に作られています。

とはいえ、基盤むき出しのまま使用すれば、思いがけずに破損させるリスクがあります。また、金属接触や静電気によるショートも故障原因のひとつです。これらのリスクを回避するため、別売りのケースに入れて使用することをおすすめします。

ラズベリーパイをケースに入れて使用している様子

ラズベリーパイ用のケースはさまざまなメーカーから発売されており、デザインも豊富です。お気に入りのケースをゲットすれば、ラズパイ生活が一層楽しくなることでしょう。

周辺機器の選定が面倒

ラズベリーパイは基板だけで販売されています。単品で購入しても起動すらできません。ラズベリーパイを起動するために最低限必要な周辺機器を以下にまとめました。

  • パソコン(カードリーダーが必要)
  • HDMI対応ディスプレイ(テレビでも可)
  • microSDカード(8GB以上 CLASS10)
  • ACアダプター
  • USBマウス
  • USBキーボード
  • HDMIケーブル

ケーブルの種類など、必要な周辺機器はモデルにより異なります。ラズパイを始めるうえで必要な周辺機器について、以下の記事で詳しく解説しています。
≫【失敗しない】ラズベリーパイに必要な周辺機器の選び方

周辺機器を買いそろえるのは大変です。初めてラズパイを購入する方は、必要な周辺機器がセットになったスターターキットを購入するのがおすすめです。

まとめ

ラズベリーパイで使用できる部品は非常に多く、作例も多数存在します。また、それらをパズルのように組み合わせることで、さらに高度なシステムを組むことも可能です。

IoTブームの今、「時代にマッチした趣味」として、ラズベリーパイの扉を開いてみませんか?

そぞら
そぞら

子供のころに戻ったようなワクワクに出会えるはずです。

当ブログでは、「ラズベリーパイ電子工作の始め方」を体系的に解説しています。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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