
- 初心者なので選び方やスペックなど全然わからない。
- 失敗しない選び方が知りたい。
- できるだけお金をかけずに始める方法ないかな?
こんな疑問に答えます。
ラズベリーパイは10種類以上発売されています。価格やスペック、サイズもさまざまで自分に合うモデルを探すのは大変です。

それぞれのモデルに強み・弱みがあり、最新モデルが最適解とは限りません。
そこでこの記事では、ラズベリーパイ初心者向けに失敗しない入門機の選び方を紹介します。
この記事を参考にすれば、自分にピッタリな一台が見つかるはずです。
結論
初心者に最適なラズベリーパイは高性能で拡張性の高いRaspberry Pi 4です。詳細を解説していきます。
≫ Raspberry Pi 4 Model Bのレビュー記事を見る
初心者におすすめの入門機は「Raspberry Pi 4」
僕自身仕事でラズベリーパイを使ったのがきっかけで、プライベートでも電子工作を楽しんでいます。

今まで7種類のラズベリーパイを使ってきた経験をもとに、入門機の選び方を解説します。
ラズベリーパイは超小型PC
選び方を見ていく前に、基礎知識をサクッと押さえておきましょう。

ラズベリーパイって何?という質問に一言で答えるなら
イギリスのラズベリーパイ財団が教育目的で開発した「小型コンピューター」
です。今では教育目的にとどまらず、エンジニアの趣味に使われたり、産業用途としてビジネスシーンで活躍しており、世界的なヒット商品となっています。ラズベリーパイの特徴は以下の5つです。
ラズベリーパイの特徴
- 小型、軽量である
- 高性能なのに低価格
- 「GPIOピン」を利用して電子工作ができる
- OSを自分でインストールする
- 自分専用のIoTデバイスを作れる
ラズベリーパイの特徴は以下の記事で詳しく解説しています。
≫ 超小型PCラズベリーパイとは?【13の特徴を解説】
ラズベリーパイでできることを以下にまとめました。

もちろん、ブラウザでインターネットを見たり、ワープロ、表計算、プレゼンテーションといったOfficeアプリを使うこともできます。
ラズベリーパイでできることについて以下の記事で詳しく解説しました。ラズパイがよく分からない方は参考にしてください。
≫ ラズベリーパイでできること!活用事例5選
ラズベリーパイの種類
ラズベリーパイには多くの種類があります。価格やサイズ、スペックなど様々なものがあり、どれを選ぶべきか迷うと思います。自分もかなり迷いました。
現在販売している主なモデルを下記の表にまとめました。
![]() Pi Zero | ![]() Pi Zero WH | ![]() Pi Zero 2W | ![]() Pi 3 Model A+ | ![]() Pi 3 Model B | ![]() Pi 3 Model B+ | ![]() Pi 4 Model B | ![]() | |
CPU | 1GHz | 1GHz | 1GH | 1.4GHz | 1.2GHz | 1.4GHz | 1.5GHz | 1.8GHz |
メモリ | 512MB | 512MB | 512MB | 512MB | 1GB | 1GB | 2GB/4GB/8GB | 4GB |
有線LAN | ー | ー | - | ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
無線LAN | ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Bluetooth | ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サイズ | 65×30mm | 65×30mm | 65×30mm | 65×56mm | 85×56mm | 85×56mm | 85×56mm | 286×122mm |
参考価格 (スイッチサイエンス) | 660円 | 2,156円 | 2,508円 | 3,300円 | 5,775円 | 5,775円 | 2GB:6,413円 4GB:7,700円 8GB:10,340円 | 10,725円 |
これだけの種類のスペックを比較するのは大変ですね。ラズベリーパイを大きく分けるとシングルボードタイプとキーボード一体型があります。シングルボードタイプは基盤むき出しの製品です。その中でもZero、Model A、Model Bに分類されていています。キーボード一体型は2021年に発売されたキーボードの中にラズベリーパイが搭載された製品です。種類はRaspberry Pi 400の1種類のみとなっています。

Model A+のように+が付いているモデルは、デザインが同じでもCPUの性能がパワーアップしたモデルにです。
ちなみにRaspberry Pi Picoという商品もあるのですが、こちらはマイコンという位置付けで他のラズパイとは性質が違うため一覧に含めておりません。

Raspberry Pi Picoについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Raspberry Pi Pico」は何ができるのか?使ってみて分かったラズパイとの違い
「OKdo(RS)版」と「element14版」の違い 仕様は同じなので気にしなくてOK
「Raspberry Pi 4」などは、「OKdo(RS)版」と「element14版」があります。聞きなじみのない単語でピンとこない方も多いと思いますが、簡単に言うとメーカーの違いです。

ラズベリーパイは「ラズベリーパイ財団」が作っているわけではありません。「ラズベリーパイ財団」が手掛けているのはあくまでも開発で、製造・販売をOKdo(RS)社とelement14社に委託しています。どちらも同じ設計で仕様に違いはありません。ただし、価格は異なる場合があります。


OKdo(RS)版とelement14版はどちらを選んでも大丈夫です。僕なら安い方にします。
ラズベリーパイ入門機の選び方
入門機の選び方をさまざまな視点から解説します。
1番人気は「Raspberry Pi 4」
2022年2月にTwitterで実施したアンケート結果は以下の通りです。投票数は114票なので、信頼できるデータが取れました。

「 Raspberry Pi 4 」が圧倒的に人気が高く、他のモデルは横並びの結果でした。なぜ 「 Raspberry Pi 4 」 が多くの方に選ばれているのでしょうか?

スペック、サイズ、コスパの観点から解説します。
基板モデルとしては最強スペックの「Raspberry Pi 4」
ラズベリーパイの最高スペックモデルは「Raspberry Pi 4 Model B 8GB」です。CPUは1.5GHzで、モバイルPC並みの性能です。またHDMI出力が2つあるため、2画面にすることができます。さらに4k対応です。

Raspberry Pi 4は2021年9月から高負荷時のクロックが1.8GHzにパワーアップしています。外観上の見分け方は下記を参考にしてください。
「Raspberry Pi 4 Model B」は2GB、4GB、8GBの中から選ぶことができますので、予算や用途に合わせて選べばOKですが、初心者の方は2GBでも十分だと思います。
また、最新モデルの Raspberry Pi 400 もメモリは4GBですが、クロック周波数1.8GHzで高い処理性能を誇っています。

「Raspberry Pi 400」はキーボード一体型のラズベリーパイで、ディスプレイと接続して小型PCとして使用することができます。

基板モデルの中では大きいけど手のひらサイズ

最も小さいサイズは、「Raspberry Pi Zero」でフリスクくらいの大きさです。「Raspberry Pi 3」と「Raspberry Pi 4」は同じ大きさでクレジットカードくらいの大きさです。

Raspberry Pi Zeroはコンパクトなモデルのため、低スペックでインターフェースもミニマム化されています。このため、使用すうえで不便に感じることが多々あります。
![Raspberry] Pi Zeroのインターフェース説明](https://sozorablog.com/wp-content/uploads/2021/07/image-3.jpg)
ZeroはCPU性能もかなり抑えられています。インターネットの表示速度が遅いのはもちろんですが、起動時間が長かったり、ファイルを開くのにも時間がかかるため、ストレスを感じることが多いです。
とはいえ、電子工作のシステムに組み込むときにはZeroのサイズは非常に魅力的です。

他のラズベリーパイで使い方に慣れて、もっと小さいモデルが欲しいと感じた時にZeroを買うのが良いと思います。
インターフェースが充実しているのはModel B
各モデルのインターフェースについて以下の表にまとめましたので参考にしてください。
モデル種類 | ![]() Zero | ![]() Model A | ![]() Model B |
---|---|---|---|
商品名 | Pi Zero Pi Zero W Zero WH | Pi Model A+ Pi 3 Model A Pi 3 Model A+ | Pi 2 Model Pi 3 Model B Pi 3 Model B+ Pi 4 Model B |
USBポート | 1つ | 1つ | 4つ |
LANポート | なし | なし | あり |
ステレオミニジャック | なし | あり | あり |
インターフェースが充実していると、外部機器の接続により活用の幅が広がります。また、USBポート1つはかなり不便です。なぜなら、キーボード・マウスで最低2ポート必要だからです。
スペックに対するコスパの良さならRaspberry Pi 4
本体価格は「Raspberry Pi Zero」が660円~2,200円最も安いです(GPIOピンやWi-Fiの有無で価格が変わります)。ただ周辺機器を揃えることを考えると、割高になるので注意が必要です。

トータルコストを考慮するとZeroは割高
僕も当初はZeroを購入しようと思っていました。しかし必要な周辺機器を調べていくと、こんなに要るのかと驚きました。
「Raspberry Pi Zero」に必要な周辺機器(microSD、ACアダプター、HDMIケーブルを除く)

Zeroの周辺機器が割高になる理由をまとめました。
- HDMIケーブルが特殊なmini HDMIのため変換コネクタが必要
- USBポートはMicro USBなので変換ケーブルが必要
- USBポートが1つなのでハブを買わないとキーボード・マウスが同時に使えない
Zeroにキーボード、マウス、ディスプレイ、電源を接続すると、以下の写真のようにごちゃごちゃした感じになります。本体は小さいのに必要な周辺機器が多いからです。

最低限必要な周辺機器の価格を計算してみました。
Raspberry Pi Zero WH ![]() 2,200円 | Raspberry Pi 3 Model B ![]() 4,400円 | Raspberry Pi 4 Model B 2GB ![]() 6,413円 | |
---|---|---|---|
microSDカード![]() | 900円 | 900円 | 900円 |
ACアダプター![]() | 700円 | 700円 | 900円 |
HDMIケーブル![]() | 250円 | 250円 | 250円 |
miniHDMI変換コネクタ![]() | 210円 | 不要 | 不要 |
USBハブ![]() | 1,500円 | 不要 | 不要 |
USB変換ケーブル![]() | 250円 | 不要 | 不要 |
合計 | 5,800円 | 6,250円 | 8,463円 |
本体価格が千円台のZeroですが、周辺機器の価格を合計すると5,800円。僕は「Raspberry Pi 4 Model B 2GB」を選びました。
「Raspberry Pi 4 Model B」が初心者にオススメな理由
- ラズパイ史上最高スペック
- インターフェースが充実おり、さまざまな外部機器を接続できる


「Raspberry Pi 3」と「Raspberry Pi 4」の違いは?
CPUの処理能力が高いので「Raspberry Pi 4 Model B」の方が高速で快適に操作できます。ただ高性能な分、CPUが高温になりやすいというデメリットもあります。
また Raspberry Pi 4は、HDMIポートを2つ備えているため、デュアルディスプレイに対応。さらに4K動画も楽しめます。
ラズベリーパイとセットで買うべき商品とは【必要な周辺機器】
残念ながらRaspberry Piは本体だけ購入しても起動すらできません。必要な周辺機器は以下の通りです。
- microSDカード(16GB以上推奨)
- HDMI接続ケーブル(ディスプレイ接続用)
- USBキーボード
- ACアダプター


ケースは無くても使用できますが、基盤むき出しなので、常時稼働する場合は購入したほうが良いと思います。
周辺機器の選び方について以下の記事で詳しく解説しています。
≫ ラズベリーパイに必要な周辺機器
初心者はスターターキットがおすすめ
周辺機器を1つずつ揃えるのが面倒な人は、本体と付属品がセットになったスターターキットを選ぶのがおすすめです。

必要な周辺機器が全部入っている!
41.3%の人はスターターキットを買っている
ラズベリーパイを単品で買う人とスターターキットを買う人の割合を調べるために、Twitterでアンケートを取りました。
結果はセット(スターターキット)で買う人が41.3%、単品で買う人が58.7でした。スターターキットは電子パーツショップの通販サイトでも取り扱いがあります。セット内容はショップにより異なります。
電子パーツショップの通販サイトは以下の記事で紹介しています。
≫【ラズベリーパイ通販】おすすめショップ9選と価格比較|購入方法完全ガイド
「Raspberry Pi 4 Model B」を使ってみる
「Raspberry Pi」は以下の写真のような箱に入っています。

箱の中身は本体と英語の取説だけで、とてもシンプルです。
ラズパイを起動させるためには、SDカードにOSを入れる必要があります。この時、ラズベリーパイ以外のネットに繋がったパソコンが必要になります。

ラズベリーパイ公式のダウンロードページからRaspberry Pi OSをインストールします。
Raspberry Pi OSの特徴や使い方は以下の記事で詳しく解説しています。
≫「Raspberry Pi OS」とは?特徴や種類・選び方を解説

OSインストールが起動したらSDカードをラズパイにセットします。

ディスプレイやマウス、キーボードを繋いで、電源アダプターを繋ぐとラズパイが起動します。

パスワードやWi-Fiなどの初期設定を行います。
詳しい設定方法は以下の記事で解説しています。
≫ラズパイの始め方、OSのインストールから初期設定まで

上の写真がラズベリーパイのデスクトップ画面です。
まとめ
ラズベリーパイはコンピューターで遊ぶという貴重な体験ができる最高のアイテムだと思います。しかし、日本ではまだまだ認知度が低いです。1人でも多くの方にラズパイの魅力を伝えるため、今後も情報発信を続けていきます。
ラズベリーパイをどこで買ったらいいのか分からない方は以下の記事を参考にしてください。
≫【2022年版】ラズベリーパイ通販おすすめショップと価格比較