
- ラズベリーパイがどこにも売っていない
- 在庫問題が解消されるのはいつ?
- 入手しやすいモデルは?
深刻な在庫不足が続いているラズベリーパイ。2021年頃より店頭から姿を消し、転売業者による高額販売も問題になっています。
僕はSNSを利用して、毎日ラズベリーパイの供給状況を観察しています。特に2022年8月頃より入荷頻度の減少が顕著です。

この記事ではラズベリーパイの供給に関する最新情報をまとめています。
この記事を読めば、どのモデルをいつどこで買うべきか迷っている人の参考になるはずです。
結論
2023年前半までは在庫不足が続きます。2023年後半からRaspberry Pi 4を中心に流通が戻る見込みです。ラズベリーパイを早期に安価で購入したい方はスイッチサイエンスとKSYの入荷状況をチェックすることをおすすめします。
2022/12/12 Eben Upton氏のブログ

「it’s good news!」。ラズベリーパイ財団のEben Upton氏が発表したブログ記事のタイトルです。記事の内容を以下にまとめました。
クリスマスに向けて大規模な入荷あり
年末年始の連休に向けて、以下の商品を合計で10万台確保できました。
上記の商品は、2022/12/12時点で販売店への発送が完了。サプライチェーンの状況は確実に回復しています。
2023年後半、在庫は大幅に回復
ラズベリーパイの供給は2023年の第二四半期にはパンデミック前のレベルに回復。下半期には1人1台などの制限なしで購入できるようになる予想です。まだ完全に危機を脱したわけではありませんが、供給状況は確実に改善しています。
Zeroシリーズは値上げするが入手しやすくなる

サプライチェーンの危機により、ラズベリーパイの製造にかかわるすべてのコストが上がりました。Raspberry Pi Zeroシリーズはもともと非常に低い利益率だったため、価格の維持は不可能と判断。Zeroは $5 から $10に、Zero W を $10 から $15 に値上げすることが決定しています。
しかしZeroシリーズが2023年に大量生産に戻ると購入制限がなくなり、一度に好きなだけ購入できるようになることが予想されています。
2022/11/24 スイッチサイエンス ランチミーティング
ラズパイの認定販売店のひとつであるスイッチサイエンス。毎月配信していた「仕入れ会議」は今回から「ランチミーティング」という名前に変わりました。当動画では新製品の情報やRaspberry Pi Pico Wの入荷時期について言及されています。
Raspberry Pi Pico Wの入荷時期は未定

Wi-Fi機能付きのマイコンであるRaspberry Pi Pico W。工事設計認証(技適)の取得は完了しています。ラズベリーパイ財団と連絡を取り合っていますが、発売時期は未定です。
Picoシリーズは一般的なラズベリーパイよりも需要と供給のバランスがとれています。Pico Wも発売されてしまえば、在庫切れの懸念は少ないはずです。ただし、発売開始時は安定して供給するための準備が必要です。できるだけ早期に良いニュースが出せるよう頑張ります。
2022/10/25 スイッチサイエンス仕入れ会議
スイッチサイエンスが毎月配信している「仕入れ会議」でラズパイの近況について言及されています。内容は以下の通りです。
Raspberry Pi 4は2023年後半から品薄解消

直近数か月で在庫状況が改善することはありません。現在は処理できない受注がたまっている状態で、2023年の前半までは品薄が続く見通しです。
Raspberry Pi 4は2023年後半に少しずつ買えるようになるでしょう。現状ではMCU(Micro Controller Unit)が入手できないことがボトルネックになっています。来年後半からはRaspberry Pi 4用MCUの調達が安定するようです。
Raspberry Pi Zero系は当面品薄が続く

Raspberry Pi Zero系は2023年以降も入手が厳しくなる可能性があります。
世界中の販売店がRaspberry Pi財団に在庫問題の解消をはたらきかけている状況です。
過去のスイッチサイエンス仕入れ会議のトピックス
過去の仕入れ会議の要点をまとめました。新しい順に記載しています。
- RS(OKdo)がラズパイの生産および販売事業から撤退
- element14製やRaspberry Pi財団製の製品は引き続き入荷する
- Raspberry Pi Compute Module 4は当面、個人向けの販売はない
- Raspberry Pi 3 Model B+は製造再開の目途が立っていない
2022/10/3 Jeff Geerling氏の記事
Jeff Geerling氏のブログ記事で、ラズベリーパイの状況について解説されています。Geerling氏はエンジニアでユーチューバーとしての活動もしている方です。
記事にはRaspberry Pi財団のEben Upton氏に直接インタビューした内容も含まれています。内容は以下の通りです。
個人よりも企業に優先してラズベリーパイを供給
Raspberry Pi財団のEben Upton氏は2022年4月にラズベリーパイの供給状況に関する記事を公開しています。記事内で解説している状況は10月現在も続いています。内容は以下の通りです。
- Raspberry Pi 4のチップは3などの古いチップより入手しやすい
- 現在の状況は供給不足ではなく需要の増加によるもの
- 転売対策のため購入制限を実施している
- 個人よりも企業に優先してラズパイを供給している
- Raspberry Pi 400とRaspberry Pi Picoは在庫が安定している
ラズベリーパイはOEM顧客 (ラズベリーパイを中心に製品を構築している企業) へ優先的に供給されています。Raspberry Pi財団の目標はOEM顧客を倒産させないことです。
ラズベリーパイの転売対策も実施
しかし同時にOEM顧客がラズベリーパイを転売する懸念も抱いています。Raspberry Pi財団はOEM顧客がラズベリーパイを転売していないことを確認するための新しいプロセスを導入しました。
ラズベリーパイの生産量も減少している

2022年10月時点では月間40万台のラズベリーパイを生産しています。4月に発表された記事では月間50万台生産しているという情報があったので、生産量自体も減少しているようです。
ラズベリーパイ不足は2022年も収まらない見込みです。2023年に緩和されることを期待していますが、将来がどうなるかは誰にもわかりません。
ラズベリーパイの在庫不足解消は2023年に期待

ラズベリーパイの供給は依然として厳しい状況が続く見込みです。ラズパイをGETしたい方がとるべき選択肢は以下の通りです。
- 「すぐ買えるモデル」を検討する
- スイッチサイエンスの入荷タイミングを狙う
- 2023年後半まで待つ
いつでも買えるラズベリーパイは「400」と「Pico」だけ
上記の最新情報や現状の在庫状況をふまえ、各モデルの入手性を以下の表にまとめました。
入手難易度 | 状況 | 詳細 | |
![]() Raspberry Pi 400 | 入手しやすい | 長期間在庫が安定 | 詳細を見る |
![]() Raspberry Pi 4 | やや困難 | 2023年後半からは流通が戻る | 詳細を見る |
![]() Raspberry Pi 3 | 入手困難 | 当面は製造しない | 詳細を見る |
![]() Raspberry Pi 3 A+ | 入手しやすい | 2022年12月より 入荷頻度増加 | 詳細を見る |
![]() Raspberry Pi Zero 2W | やや困難 | 2023年以降も入手困難 | 詳細を見る |
![]() Raspberry Pi Zero WH | やや困難 | Amazonなら入手可 | 詳細を見る |
![]() Raspberry Pi Pico | 入手しやすい | 在庫安定 マイコンなので注意 | 詳細を見る |
スイッチサイエンスの入荷タイミングを狙う

2022年9月以降で、Raspberry Pi 4の販売実績があるショップは以下の5つです。
ショップ名 | 2023年3月の価格 |
---|---|
Amazon | 18,488円 (在庫あり) |
KSY | 価格未定 (在庫なし) |
スイッチサイエンス | 9,900円 (在庫なし) |
秋月電子通商 | 14,800円 (在庫あり) |
千石電商 | 14,800円 (在庫あり) |
Amazonでの価格は高額になっており、おすすめはできません。
Raspberry Pi 4 Model B 4GB
スイッチサイエンスは安価ですが入荷してもすぐに売り切れてしまうため、情報収集が必須です。
- スイッチサイエンスで入荷通知登録をする
- ラズパイ在庫チェッカーを確認し続ける
- TwitterなどのSNSで情報収集する
スイッチサイエンスではラズパイが入荷したときにメール通知するサービスがあります。入荷通知ボタンを押してメールアドレスを入力すれば登録完了です。

ラズパイ在庫チェッカーは以下のような画面で、各ショップの最新の在庫状況が一目でわかります。
