
この記事で解決できるお悩み
- ラズベリーパイでLEDを点滅させたい
- ラズベリーパイで電子工作がしてみたいんだけど、わからないことが多すぎる
- ラズベリーパイの買い方を知りたい
世界的に人気上昇中のラズベリーパイ。しかし日本での認知度はまだまだ低く、どんなものかよく分からないという方も多いはず。この記事ではラズベリーパイの特徴や選び方、電子工作の基本Lチカの方法を解説します。

初心者の方にも分かりやすいように、写真や図を多めに使って解説します。
この記事を最後まで読むと、ラズベリーパイ電子工作がスムーズに始められます。
ラズベリーパイの基礎知識

そもそもラズベリーパイがよく分からない方のために、ラズパイとは何かを解説します。
ラズベリーパイはシングルボードコンピューター
ラズベリーパイは、スマートフォンなどと同じ種類のCPUが載った小型のシングルボードコンピューターです。シングルボードコンピューターとは、コンピュータを構成する部品を1枚の基板(ボード)に集約した製品のことです。イギリスのRaspberry Pi財団により教育目的で開発されました。
2012年の発売開始以来、世界的なヒット商品となり、2021年には累計販売台数3700万台を突破しています。


Raspberry Piにディスプレイやマウス、キーボードを接続すると、普通のパソコンのような使い方ができます。
ラズベリーパイの特徴
- 小型、軽量である
- 高性能なのに低価格
- 消費電力が少ない
- OSを自分でインストールする
- 「GPIOピン」に外部パーツを接続して電子工作が楽しめる
- Wi-FiやBluetoothが搭載されている
- 自分専用のIoTデバイスを作れる
- ネット上に多くの作例やノウハウが公開されている
ラズベリーパイは一般的なPCとは違い、OSをmicroSDカードにインストールして使います。ラズベリーパイではさまざまなOSが用意されており、ユーザーは目的にあったOSを自分で選ぶことができます。
ラズベリーパイでできること
ラズベリーパイは電子工作以外でも、いろいろなことに使えます。

もちろん、ブラウザでインターネットを見たり、ワープロ、表計算、プレゼンテーションといったOfficeアプリを使うこともできます。
電子工作でできること
当サイトでは、主にラズベリーパイ電子工作に特化した情報を提供しています。

電子工作とは、ラズベリーパイに電子部品をつないでセンサーの信号を読み取ったり、モーターなどを動かすことです。
電子部品はラズベリーパイのGPIOピンにつなぎます。

GPIOピンは40本のピンで構成されていて、それぞれの役割が決まっています。

使い方に慣れてくると、LEDやセンサー、モーターなどの電子部品をつないで、自由にコントロールできるようになります。
ラズベリーパイ電子工作でできることは以下の記事で詳しく解説しています。
≫ ラズベリーパイでできること!活用事例5選
ラズベリーパイの選び方
ラズベリーパイには色々なモデルがあります。
- Raspberry Pi
- Raspberry Pi Zero
- Raspberry Pi 1
- Raspberry Pi 2
- Raspberry Pi 3
- Raspberry Pi 4
- Raspberry Pi 400
- Raspberry Pi Pico
660円から買えるリーズナブルなものから1万円台のハイエンドなモデルまで、豊富なラインアップが魅力です。
ラズベリーパイの主要モデルと、選び方をまとめてみました。

電子工作がしたいのであれば、予算に合わせてこのあたりから選ぶのがオススメです。
- Raspberry Pi Zero WH (1,848円)
- Raspberry Pi 3 Model A+ (3,520円)
- Raspberry Pi 3 Model B (4,400円)
- Raspberry Pi 4 Model B 4GB (7,920円)
価格は変動しているため目安だと思ってください。
ラズベリーパイの選び方は以下の記事で詳しく解説しています。
≫ 失敗しないラズベリーパイ入門機の選び方
ラズベリーパイを始めるには周辺機器が必要
ラズベリーパイは単品で購入しても本体しか入っていないため起動することもできません。
Raspberry Pi 400に必要な周辺機器を以下にまとめました。

ケーブルのコネクターの種類など、モデルによって必要なものが変わってくるので要注意です。
ラズベリーパイはモデル毎に必要な周辺機器が異なります。詳細を以下の記事にまとめています。
≫ ラズベリーパイに必要な周辺機器の選び方
初心者には必要な周辺機器がセットになったスターターキットがおすすめです。
ラズベリーパイを買おう
ラズベリーパイは一般的な家電量販店では取り扱っていません。ラズパイを販売している電子パーツショップが近くに無い場合は、通販で買うことになります。
おすすめの通販ショップ
ラズベリーパイを通販で買うのにおすすめのショップは
このあたりになります。
電子工作を始めると、色々な電子パーツを買うことになるので、お気に入りのショップを見つけておくのが良いと思います。
ラズベリーパイおすすめの通販ショップについて、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
2022年4月現在では半導体不足の影響により、各モデルの在庫状況が品薄となっています。入荷のタイミングを逃さないよう、マメに情報収集することをおすすめします。
ラズベリーパイの学習方法
- YouTube
- 本
- ブログなどのネット情報
初心者はまずYouTubeから
YouTubeの最大のメリットは動きがあるので、全体の流れをイメージしやすいことです。初心者にも分かりやすい動画を探している方にはITエンジニアもりしーさんの動画がおすすめです。
情報の網羅性は本が最強
初心者の方は1冊本を買うことをおすすめします。ネット情報だけでもラズベリーパイを始めることは可能ですが、信頼性や情報量では本には及びません。
ラズベリーパイの使い方を学べる本について以下の記事で詳しく解説しています。
≫【2022年版】ラズベリーパイおすすめの本5選
ブログをうまく活用すれば作業スピードアップ
ブログなどのネット情報を検索して調べるという方法もあります。

僕はブログ記事で、電子パーツの使い方を調べることが多いです。
メリットは無料であることと、公開しているプログラムをコピーアンドペーストしてすぐに使えることです。デメリットは情報が不足している場合が多いことです。なぜなら個人が趣味の範囲で発信しているケースが多いためです。
ラズベリーパイの初期設定
自分のラズベリーパイをゲットできたら、使用する準備をしていきます。
設定に関しては取説が無いので難しく感じるかもしれませんが大丈夫です。過去に5台のラズパイを設定した自分が画像多めで詳しく解説した記事がありますので、スムーズに設定できると思います。
設定の手順は以下の通りです。

OSのインストールなど面倒に思うかもしれません。しかし、自作PCを作っているような楽しさがあり、そこがラズベリーパイの魅力でもあります。
ラズベリーパイの初期設定について以下の記事で詳しく解説しています。
≫ OSインストールから初期設定まで開始手順を徹底解説
ラズベリーパイでLEDチカチカ!やり方をくわしく解説
初期設定が終わったら、LEDの点滅(通称Lチカ)をやってみましょう。なぜ「Lチカ」なのか?Lチカでは電子工作のキホンを学ぶことができるからです。
Lチカで学べること
- ラズベリーパイの基本操作
- 電子部品の使い方
- 回路の作り方
- プログラミングの基本

これからセンサーやモーターなどを組み合わせて、面白いものを作っていくための基礎知識が学べます
用意するもの
- Raspberry Pi本体
- LED
- ブレッドボード
- ジャンパーワイヤー
- 抵抗

電子工作で使う部品
電子部品の基礎知識をまとめてみました

電流を流しすぎるとLEDが壊れてしまうため、抵抗を使用します。
ブレッドボードはピンを差し込むだけで簡単に電気接続ができます。もちろんやり直しもできます。

ジャンパーワイヤーは端子の種類や長さもいろいろあるので、ひと通りそろえておくのがおすすめです。

抵抗を取り付けると電流を抑制することができます。

抵抗の大きさ(抵抗値)は単位Ω(オーム)で表します。
抵抗にはカラーコードが印刷されており、抵抗値はカラーコードの「色の並び」で判断します。抵抗値の読み方は以下の図を参考にしてください。


電子部品はひとつひとつ買いそろえていくのが大変なので、以下のようなセットを買うのがおすすめです。
基本的な電子工作の手順
Lチカなどの電子工作は以下の手順で進めるのが一般的です。
- 電子回路を組み立てる
- プログラムを作成する
- プログラムを実行して動作確認!
Lチカの仕組み GPIOをプログラムで自在に操る!
ラズベリーパイでLチカをするイメージはこんな感じです。

LEDをGPIOピンにつないで、電流を流すとLEDが点灯。電流を止めるとLEDが消えます。この電流を「流す・止める」という命令をプログラミングします。

LEDは接続する向きを間違えると、点灯しません。
LEDからは2本の端子が出ており、長い方をGPIOピンに、短い方をGNDピンにつなぎます。

汎用のGPIOピンは26か所あり、プログラミングで3.3Vを出力したり、止めたりすることができます。

GNDとはGround(グランド)のことで、電池でいうとマイナスに該当します。
電池は「プラス極」と「マイナス極」の両方につながないと電流は流れないですよね。
電子回路も全く同じ理屈で、「プラス」から「マイナス(GND)」につながないと電流は流れません。
Lチカの回路を作る
回路はこのように作成します。

GIPO18 → 抵抗(100Ω) → LED(長い端子)→(短い端子)→ GND という順序でつなぎます。
GNDはピンは全部で8か所用意されているので、どこに差しても大丈夫です。

GPIOピンの接続

Lチカのプログラミング
プログラミング言語はPythonを使います。
Pythonプログラミングについて、以下の記事で初心者にもわかりやすく解説しています。プログラミングがよく分からないという方は先にご覧ください。
≫ Raspberry Pi(ラズベリーパイ)プログラミング入門
LEDを点滅させるプログラムはこちらです。コピペして使えます。
from gpiozero import LED
import time
led = LED(18)
while True:
led.on()
time.sleep(1.0)
led.off()
time.sleep(1.0)
プログラムの解説です。
GPIOピンを制御するために「gpiozero」というライブラリーを使っています。
処理を一時停止させるため、「time」というモジュールを使います。
ライブラリーとモジュールはどちらもPythonの拡張機能を簡単に呼び出すための仕組みだと思ってください。Pythonではライブラリーやモジュールが豊富に用意されているため、本来ならば複雑になりがちなプログラムもシンプルに記述できます。

プログラムを実行するとLEDが点滅するはずです。

sleep(1.0)の数字を変えると点滅スピードを変えることができます。ぜひ試してみてください。
まとめ 電子工作は楽しい!
無事にLチカできたでしょうか?
スムーズにできなかったとしても、苦労した分うまくいったときの達成感は格別です。そして、そこまでの過程には多くの学びがあります。これこそ、僕が電子工作を好きになった理由です。
この記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。