【PR】この記事には広告が含まれています。
円安などの影響により価格の上昇が止まらないラズベリーパイ。人気モデルRaspberry Pi 4 Model B 4GBの価格は2年で2倍になっています。ホビー用途のユーザーは購入をためらうことも多いはずです。
2024年4月現在、スイッチサイエンスで販売しているRaspberry Pi 3 Model A+の価格は4,785円。第三世代のモデルでありながら、性能と価格のバランスが非常に取れたモデルです。電子工作など比較的負荷のかからない用途がメインの方におすすめです。
安くて高性能!Raspberry Pi 3 Model A+
Raspberry Pi 3 Model A+を使って感じたことを以下にまとめました。
サイズや性能面において、Zeroと4の中間に位置するRaspberry Pi 3 Model A+。低価格ですがサクサク動くので、快適に作業できます。電子工作などを楽しみたい方におすすめです。
公式のプロモーション動画はこちらからご覧いただけます。
Raspberry Pi 3 Model A+の特徴
Raspberry Pi 3 Model A+はスペック、価格、大きさ、拡張性において非常にバランスが取れたモデルです。
SoC | Broadcom BCM2837B0 |
CPU | ARM Cortex-A53 1.4GHz クアッドコア 64ビット |
メモリー | 512MB LPDDR2 SDRAM |
無線LAN | 2.4 GHz、5 GHz IEEE 802.11.b / g / n / ac |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 |
最大消費電力 | 約12.5W |
サイズ | 65 × 30mm |
重量 | 29g |
発売日 | 海外:2018年 日本:2019年 |
参考価格 スイッチサイエンス | 4,785円 |
Raspberry Pi 3 Model A+は2019年に発売されました。最新モデルではありませんが、電子工作を楽しむには十分なスペックです。
高性能かつ低価格を実現
Raspberry Pi 3 Model A+のクロック周波数は1.4GHz。第四世代モデルであるRaspberry Pi 4の1.5GHzよりわずかに劣るものの、価格は半額以下の4,620円です。
価格 | CPU | 詳細 | |
Raspberry Pi 400 | 13,200円 | 1.8GHz クアッドコア | 詳細を見る |
Raspberry Pi 4 | 8GB:14,190円 4GB:10,560円 2GB:8,690円 | 1.5GHz クアッドコア | 詳細を見る |
Raspberry Pi 3 Model A | 4,620円 | 1.4GHz クアッドコア | 詳細を見る |
Raspberry Pi Zero 2W | 2,948円 | 1.0GHz クアッドコア | 詳細を見る |
Raspberry Pi Zero WH | 2,838円 | 1.0GHz シングルコア | 詳細を見る |
大きさはZeroとModel Bの中間
ラズベリーパイは基盤の大きさにより、以下の3種類に分類できます。
- Zero
- Model A
- Model B
Raspberry Pi 3 Model A+はZeroシリーズとModel Bの中間にあたるサイズで、第三世代のモデルです。中間のサイズとはいえラズパイはどれも小さいです。実物を初めて見る方は、そのコンパクトさに驚くことでしょう。
重さは29gと大変軽量なので、壁に貼り付けて使用することもできます。
USBポートは1か所のみ
モデル種類 | Zero | Model A | Model B |
---|---|---|---|
商品名 | Pi Zero Pi Zero W Pi Zero WH Pi Zero 2 W | Pi Model A+ Pi 3 Model A+ | Pi 2 Model B Pi 3 Model B Pi 3 Model B+ Pi 4 Model B |
USBポート | 1つ | 1つ | 4つ |
有線LANポート | なし | なし | あり |
ステレオミニジャック | なし | あり | あり |
Model AのインターフェースはUSBポートが1つです。キーボードとマウスを接続する場合はUSBハブが必要です。
僕はリモートデスクトップ環境でラズパイを使っているため、USBポートが1つであることはデメリットに感じません。むしろコンパクトになるメリットの方が大きく感じます。
また、有線LANポートはありませんが無線LANが使えるため、ネットワーク内の機器に接続したり、インターネットを利用したりできます。
開封~セッティング
ラズパイは箱のデザインがかわいくて好きなんですよね。過去に買ったラズパイや関連製品の箱も捨てられません。
箱には購入したショップであるスイッチサイエンスのシールが貼られています。
ラズパイの箱には本体とユーザーガイドが入っています。電源やmicroSDは別売りです。
ラズベリーパイは単品で買っても起動できない
Pi 3 Model A+を使用するのに必要な周辺機器は以下の通りです。
- パソコン(SDカードリーダーが必要)
- HDMI対応ディスプレイ(テレビでも可)
- microSDカード(8GB以上 CLASS10)
- ACアダプター(Type-B 2.5A以上)
- USBマウス
- USBキーボード
- HDMIケーブル(Type-A)
microSDカードとACアダブター以外は家にあるもので済ませても問題ありません。
ACアダプターの選び方
ACアダプターは電流に注意してください。電流が低いものを使用すると、ラズパイが動作しない可能性があります。
Pi 3 Model A+の電源は2.5A以上が必要です。僕は余裕を見て3.0Aのアダプターを使用しています。
ケースも一緒に購入するのがおすすめ
ラズベリーパイ本体を入れるためのケースが販売されています。基本的にはケースを使用することをおすすめします。理由は以下の通りです。
- 衝撃やほこりから保護できる
- 金属などの接触による短絡(ショート)の防止
- 見た目がスマートになる
- ラズパイを安定して設置できる
僕はラズベリーパイ公式ケースを使用しています。スイッチサイエンスで748円です。
GPIOやカメラモジュールを利用するときはフタを外した状態で使用します。
ラズベリーパイの使用準備をする
OSのインストールなど、ラズベリーパイのセットアップ方法について以下の記事で詳しく解説しています。
≫【2022年最新版】OSインストールから初期設定まで|開始手順のすべて
ラズベリーパイを使用するときは、まずmicroSDカードへOSを書き込む作業が必要です。
今回使用したmicroSDカードは以下の商品です。
ラズパイではmicroSDカードの選定が重要です。microSDカードの種類により、ラズパイの動作速度が変わってくるからです。上記の商品は価格と品質のバランスがとれており、僕自身リピート買いしています。
周辺機器の接続
microSDカードの準備ができたら、周辺機器を接続します。
ラズベリーパイの起動
ACアダプターを接続すると、すぐに起動を開始します。
上のような画面が立ち上がったら、言語の設定やWi-Fiの設定などをしていきます。
ラズベリーパイを初期設定する手順について以下の記事で詳しく解説しています。
≫【2022年最新版】OSインストールから初期設定まで|開始手順のすべて
起動時間を他のモデルと比較
Raspberry Pi 3 Model A+は低価格ですが、サクサク動くので快適に使えます。それを証明するために他のモデルと性能を比較してみます。
ラズパイの電源を入れてからRaspberry Pi OSのデスクトップ画面が立ち上がるまでの時間を、各モデルで比較しました。
調査条件は以下の通りです。
OS | Raspberry Pi OS 32-bit Bullseye デスクトップ版 |
microSD | SanDisk Ultra SDSQUA4-032G-EPK |
チェックポイント
動作速度は使用するOSの種類やSDカードの性能により異なります。今回の調査ではすべてのモデルで同じmicroSDを使用しました。
各モデルの起動時間は以下の通りです。
Raspberry Pi 3 Model A+ | 30秒 |
Raspberry Pi Zero WH | 134秒 |
Raspberry Pi Zero 2 W | 40秒 |
Raspberry Pi 3 Model B | 30秒 |
Raspberry Pi 4 Model B | 28秒 |
第四世代のモデルであるRaspberry Pi 4と2秒差の30秒という結果でした。アプリの起動も速いので特に不満はないです。
Raspberry Pi 4の半額以下で買えるRaspberry Pi 3 Model A+。性能面においてお買い得感があるといえます。
Raspberry Pi 3 Model A+の遊び方
僕はRaspberry Pi 3 Model A+を電子工作で遊ぶために購入しました。ここからは実際に作品を作る手順を解説します。
テーマを決める
僕には小学生の娘がいます。娘が朝家を出るとき、毎日僕に聞いてくることがあります。
今日はカサ持っていったほうが良い?
スマホで天気予報を調べれば数十秒で済むことですが、朝は忙しいのです。そうだ!きっとラズパイが解決してくれる。
作りたいもの
僕の代わりに降水確率を調べて、カサが必要かどうかを教えてくれるマシーン。
システムの概要を決める
どんな機能を持たせれば課題を解決できるのか。アイディアをまとめていきます。
- 毎朝インターネットから今日の降水確率を取得する
- 取得した降水確率によりカサが必要か否かを判定する
- 判定結果を小学生にもわかりやすく表現する
APIとはApplication Programming Interface(アプリケーションプログラミングインタフェース)の略です。天気予報 API(livedoor 天気互換)では、全国各地の降水確率や予想気温などが、自動で取得しやすい形式で公開されています。APIを利用すれば、必要な情報を比較的簡単に取得できます。
部品を準備する
今回のプロジェクトで使用する部品
- Raspberry Pi 3 Model A+
- サーボモーター
- ジャンパーワイヤー
- Raspberry Pi 3 Model A+の箱
表示に使うイラストは娘に描いてもらいました。
ラズパイが入っていた箱にイラストを貼り付けします。
サーボモーターを箱の底面にテープで固定したら、部品の準備は完了です。
サーボモーターの下部に両面テープを貼り、設置します。
ハードウェアの準備
ラズベリーパイとサーボモーターは以下のように接続します。
サーボモーターの使い方は以下の記事で詳しく解説しています。
≫【ラズベリーパイ入門】サーボモーターを制御する方法
ラズパイに配線すると以下のようになります。
ソフトウェアの準備
プログラミング言語Pythonを使ってアプリケーションを作成します。降水確率の取得には、天気予報 API(livedoor 天気互換)という無料で使えるAPIを利用します。
import requests
import re
from datetime import datetime
import pigpio
import time
#サーボモーターの設定
SERVO_PIN = 18
pi = pigpio.pi()
#天気予報 API(livedoor 天気互換)
city_code = "130010" # 東京都(東京)のcityコード
url = "https://weather.tsukumijima.net/api/forecast/city/" + city_code
while True:
try:
response = requests.get(url)
response.raise_for_status() # ステータスコード200番台以外は例外とする
except requests.exceptions.RequestException as e:
print("Error:{}".format(e))
else:
weather_json = response.json()
#今日の降水確率
print(weather_json['forecasts'][0]['chanceOfRain']) # 0:今日 1:明日 2:明後日
#子供の下校時間(12時から18時)の降水確率
cor = weather_json['forecasts'][0]['chanceOfRain']['T12_18']
cor = re.sub("\\D", "", cor) # %除去
print("12時から18時の降水確率 {}".format(cor))
#降水確率が取れない場合の処理
if cor == "":
print("no value")
else:
# 降水確率40%以上はサーボモーターを回転させる
if int(cor) >= 40:
pi.set_servo_pulsewidth( SERVO_PIN, 500 )
else:
pi.set_servo_pulsewidth( SERVO_PIN, 2500 )
#10分周期で更新
time.sleep(600)
サーボモーターを動かすためのpigpioを使うときは、事前に以下のコマンドを実行する必要があります。
sudo pigpiod
12行目で、お住いの地域のcityコードを指定できます。cityコードはこちらから確認できます。
降水確率は0-6時,6-12時,12-18時,18-24時毎の情報を取得可能です。今回は子供の下校時間である12-18時の降水確率を取得します。
参考にさせていただいたサイト
【Python】無料で使える天気予報APIで降水確率を取得する
完成
ラズパイが自動で天気予報を調べて、表示をくるっと回転させてくれます。娘も私もほんの少しですが、朝の時間にゆとりができた気がします。
リモートデスクトップ環境で使うのがおすすめ
僕はVNCという仕組みを使って、リモートデスクトップ環境にしています。VNCとは【Virtual Network Computing】の略です。ネットワーク(Wi-Fi)経由でラズパイを遠隔操作できます。
VNCは快適
VNCを使う最大のメリットはキーボードとマウスをラズパイに接続する必要がなくなることです。USBポートが1か所というデメリットもカバーできます。
VNCの設定方法は以下の記事で詳しく解説しています。
≫【ラズベリーパイを遠隔操作】VNCでPCからリモート接続する方法
Raspberry Pi 3 Model A+の購入方法
2024年4月時点のRaspberry Pi 3 Model A+の在庫状況は以下の通りです。購入の参考にしてください。