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- ラズベリーパイがどこにも売っていない
- 在庫問題が解消されるのはいつ?
- 入手しやすいモデルは?
深刻な在庫不足が続いていたラズベリーパイ。2023年6月頃より徐々に在庫が戻り始めており、Amazonでの販売価格も下降傾向にあります。
僕はSNSを利用して、毎日ラズベリーパイの供給状況を観察しています。特に2022年8月頃より入荷頻度の減少が顕著です。
この記事ではラズベリーパイの供給に関する最新情報をまとめています。
この記事を読めば、どのモデルをいつどこで買うべきか迷っている人の参考になるはずです。
2023.7.3 最新情報
2023年6月からRaspberry Pi 4を中心に流通が戻ってきています。ラズベリーパイを安価で購入したい方は、スイッチサイエンスとKSYの在庫情報をチェックすることをおすすめします。
2023/6/29 スイッチサイエンス仕入れ会議
スイッチサイエンスが配信している「仕入れ会議」でラズパイの近況について言及されています。11分40秒からラズパイの話題が始まります。
ラズパイの供給状況が改善傾向に
PCWatchの記事で引用されたEben Upton氏の品不足解消宣言と並行して、ラズベリーパイの供給状況に関する具体的な進展が明らかにされています。
最近、ラズベリーパイの入荷が頻繁に行われるようになり、その供給量は半年前と比べると著しく増加しています。完全な解消には至っていないものの、一部では品不足の解消が実感されている状況です。以前は製品の注文後、1年から2年もの時間を経てようやく入荷するという状態でしたが、現在では製品が順調に入荷するため、注文の対応方法が大きく変化しています。
Zero 2 Wは現在準備中
供給体制の変化を具体的に示す例として、Raspberry Pi 4(4GBおよび8GB版)とZero系の在庫が潤沢に供給されていることが挙げられます。また、Zero 2 Wの準備も進行中とのことです。
この供給状況の改善は、購入制限が解除されていることからも確認できます。これらの情報は、ラズベリーパイの品不足問題が徐々に改善してきており、製品の入手がより容易になっていることを示しています。
2023/6/2 Tom’s Hardwareの記事
久々にラズパイの在庫に関するニュースがTom’s Hardwareからリリースされました。Tom’s Hardwareは、PCハードウェアやソフトウェアなどに関するニュースなどを提供する、テクノロジーに特化したウェブサイトです。今回の記事はラズベリーパイ財団のCEOであるEben Upton氏からの直接の情報をもとに、ラズパイの在庫状況と今後の見通しについて詳しく解説しています。
ソニーの協力により大幅な増産
Upton氏は最新のコミュニティニュースレターで、ラズベリーパイの在庫状況についての情報を提供しました。彼の発表によれば、ソニーの協力により在庫は大幅に増え、おそらく月に100万台に達するとのこと。
2023年の第1四半期は、約80万台が出荷されたにもかかわらず、2015年以来最悪のものだったそうです。在庫の復活はソニーの協力によるもので、現在ラズベリーパイ財団はソニーと11年間の製造契約を結んでおり、Upton氏はソニーが現在「すべての主要なRaspberry Pi製品」を製造していると述べています。
2023年5月の販売予測は60万台で、6月には80万台が予測されています。しかし、2023年7月からは、ラズベリーパイは残りのバックログ(未処理の注文)をクリアするまでの期間、毎月100万台を維持することを予測しています。
2023年はラズベリーパイの販売史上最強の年に
世界的な供給チェーンの問題と、それを悪化させるパンデミックの影響を受けて、ラズベリーパイも在庫が手に入りにくい状況が続いていました。
しかし、2022年11月にUpton氏は2023年に在庫が改善すると述べ、その予測は近月に実現しました。特に、Raspberry Pi 3A+やZeroシリーズなどの古いボードはすでにかなり在庫がありますが、Raspberry Pi Zero 2 WやCompute Module 4などはまだ手に入りにくい状況です。Raspberry Pi 4の在庫も徐々に改善しており、在庫が数時間から数日間に及ぶようになっています。
Upton氏は、「2021年から始まった不足が痛かった2年間でしたが、不足が終わったことを確信しています。そして、2023年はラズベリーパイの販売にとって史上最強の年になると思います」と述べています。
2022/12/12 Eben Upton氏のブログ
「it’s good news!」。ラズベリーパイ財団のEben Upton氏が発表したブログ記事のタイトルです。記事の内容を以下にまとめました。
クリスマスに向けて大規模な入荷あり
年末年始の連休に向けて、以下の商品を合計で10万台確保できました。
上記の商品は、2022/12/12時点で販売店への発送が完了。サプライチェーンの状況は確実に回復しています。
2023年後半、在庫は大幅に回復
ラズベリーパイの供給は2023年の第二四半期にはパンデミック前のレベルに回復。下半期には1人1台などの制限なしで購入できるようになる予想です。まだ完全に危機を脱したわけではありませんが、供給状況は確実に改善しています。
Zeroシリーズは値上げするが入手しやすくなる
サプライチェーンの危機により、ラズベリーパイの製造にかかわるすべてのコストが上がりました。Raspberry Pi Zeroシリーズはもともと非常に低い利益率だったため、価格の維持は不可能と判断。Zeroは $5 から $10に、Zero W を $10 から $15 に値上げすることが決定しています。
しかしZeroシリーズが2023年に大量生産に戻ると購入制限がなくなり、一度に好きなだけ購入できるようになることが予想されています。
2022/10/25 スイッチサイエンス仕入れ会議
スイッチサイエンスが配信している「仕入れ会議」でラズパイの近況について言及されています。内容は以下の通りです。
Raspberry Pi 4は2023年後半から品薄解消
直近数か月で在庫状況が改善することはありません。現在は処理できない受注がたまっている状態で、2023年の前半までは品薄が続く見通しです。
Raspberry Pi 4は2023年後半に少しずつ買えるようになるでしょう。現状ではMCU(Micro Controller Unit)が入手できないことがボトルネックになっています。来年後半からはRaspberry Pi 4用MCUの調達が安定するようです。
Raspberry Pi Zero系は当面品薄が続く
Raspberry Pi Zero系は2023年以降も入手が厳しくなる可能性があります。
世界中の販売店がRaspberry Pi財団に在庫問題の解消をはたらきかけている状況です。
過去のスイッチサイエンス仕入れ会議のトピックス
過去の仕入れ会議の要点をまとめました。新しい順に記載しています。
- RS(OKdo)がラズパイの生産および販売事業から撤退
- element14製やRaspberry Pi財団製の製品は引き続き入荷する
- Raspberry Pi Compute Module 4は当面、個人向けの販売はない
- Raspberry Pi 3 Model B+は製造再開の目途が立っていない
2022/10/3 Jeff Geerling氏の記事
Jeff Geerling氏のブログ記事で、ラズベリーパイの状況について解説されています。Geerling氏はエンジニアでユーチューバーとしての活動もしている方です。
記事にはRaspberry Pi財団のEben Upton氏に直接インタビューした内容も含まれています。内容は以下の通りです。
個人よりも企業に優先してラズベリーパイを供給
Raspberry Pi財団のEben Upton氏は2022年4月にラズベリーパイの供給状況に関する記事を公開しています。記事内で解説している状況は10月現在も続いています。内容は以下の通りです。
- Raspberry Pi 4のチップは3などの古いチップより入手しやすい
- 現在の状況は供給不足ではなく需要の増加によるもの
- 転売対策のため購入制限を実施している
- 個人よりも企業に優先してラズパイを供給している
- Raspberry Pi 400とRaspberry Pi Picoは在庫が安定している
ラズベリーパイはOEM顧客 (ラズベリーパイを中心に製品を構築している企業) へ優先的に供給されています。Raspberry Pi財団の目標はOEM顧客を倒産させないことです。
ラズベリーパイの転売対策も実施
しかし同時にOEM顧客がラズベリーパイを転売する懸念も抱いています。Raspberry Pi財団はOEM顧客がラズベリーパイを転売していないことを確認するための新しいプロセスを導入しました。
ラズベリーパイの生産量も減少している
2022年10月時点では月間40万台のラズベリーパイを生産しています。4月に発表された記事では月間50万台生産しているという情報があったので、生産量自体も減少しているようです。
ラズベリーパイ不足は2022年も収まらない見込みです。2023年に緩和されることを期待していますが、将来がどうなるかは誰にもわかりません。
ラズベリーパイの在庫不足解消は2023年に期待
ラズベリーパイの供給は戻りつつあります。モデルによっては在庫が潤沢になっているものもあります。
改善しつつある在庫状況
上記の最新情報や現状の在庫状況をふまえ、各モデルの入手性を以下の表にまとめました。
入手難易度 | 状況 | 詳細 | |
Raspberry Pi 400 | 入手しやすい | 長期間在庫が安定 | 詳細を見る |
Raspberry Pi 4 | 入手可能 | 2023年6月から流通が安定しつつある | 詳細を見る |
Raspberry Pi 3 | 入手困難 | 当面は製造しない | 詳細を見る |
Raspberry Pi 3 A+ | 入手可能 | 販売店舗多数 | 詳細を見る |
Raspberry Pi Zero 2W | 入手困難 | 2023年以降も入手困難 | 詳細を見る |
Raspberry Pi Zero WH | やや困難 | Amazonなら入手可 | 詳細を見る |
Raspberry Pi Pico | 入手しやすい | 在庫安定 マイコンなので注意 | 詳細を見る |
希望のモデルをお得に買う方法
ラズパイをできるだけ安く買うには情報収集が重要です。おすすめは以下の方法です。
- スイッチサイエンスで入荷通知登録をする
- ラズパイ在庫チェッカーを確認し続ける
スイッチサイエンスではラズパイが入荷したときにメール通知するサービスがあります。入荷通知ボタンを押してメールアドレスを入力すれば登録完了です。
ラズパイ在庫チェッカーは以下のような画面で、各ショップの最新の在庫状況が一目でわかります。