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- 初期設定を素早く終わらせたい
- 専門用語がわからない
- パソコンが苦手で無事にセットアップできるか心配
ラズベリーパイは普通のパソコンのように、電源をつないですぐに起動できるわけではありません。取説も付いていないため、何から始めたら良いのかわからない方も多いはずです。

OSのインストール手順をより理解しやすくするために、初心者向けに多数の画像を用いて説明します。
この記事の手順に沿って作業を進めれば、初心者でもスムーズにラズパイを始められます。
ラズベリーパイの初期設定を始めるための基礎知識

実際に作業を始める前に、使用する周辺機器と作業内容について解説します。細かい説明を飛ばして、すぐに作業を始めたい方は以下のボタンを押してください。
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ラズベリーパイのセットアップで準備するもの
ラズベリーパイ本体以外に下記のものを用意します。
- パソコン
- ディスプレイ
- microSDカード
- ACアダプター
- USBマウス
- USBキーボード
- HDMIケーブル

以下のmicroSDカードは、僕が何度もリピート購入しているものです。ブログ記事の動作検証でOSを繰り返しインストールしても、安定して使えています。容量は32GBですが、不足を感じたことはありません。
ケーブルの種類などは、使用するモデルにより異なります。ラズベリーパイを始めるうえで必要な周辺機器について、以下の記事で詳しく解説しています。
≫ ラズベリーパイに必要な周辺機器の選び方
OSは自分でインストールする

セットアップ手順でメインとなるのがOSのインストールです。OSとはコンピュータを動かすためのベースとなるソフトウェアです。

OSが入っていない状態ではラズパイを起動できません。
ラズベリーパイはOSを「microSDカード」にインストールして使用します。
手順①:OSのインストール

ここからは実際に作業を始めていきます。まずラズベリーパイで使用するOSをmicroSDカードにインストールします。OSのインストールには「Raspberry Pi Imager」を使います。
チェックポイント
「Raspberry Pi Imager」はmicroSDカードの初期化から、OSインストールまでを自動で行ってくれる便利なソフトです。
1.「Raspberry Pi Imager」を作業用PCにインストールする

まず「Raspberry Pi Imager」をラズベリーパイ公式ページからPCにダウンロードします。
「Raspberry Pi Imager」は、Windows版・macOS版・Ubuntu版の3種類があります。使用中のPCに合わせて選択してください。本記事では、Windows版をダウンロードします。

「Download for Windows」をクリックして、ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックすると、インストーラーが起動します。

「Install」をクリックする。

「Finish」をクリックすると、インストールが完了します。
2.作業用PCにmicroSDカードを挿入する

作業用PCにmicroSDカードをセットします。
エクスプローラーが自動で開いたり、ポップアップが表示された場合は、無視して閉じて構いません。
3.microSDカードにOSをインストールする
先ほどインストールした「Raspberry Pi Imager」を起動します。

下の画像が「Raspberry Pi Imager」のメイン画面です。

「デバイスを選択」をクリックします。

使用するRaspberry Piのモデルを選択します。この選択により、使用できるOSの選択肢が絞り込まれます。

「OSを選択」をクリックします。

Raspberry Pi 4を選択した場合は、以下の選択肢が表示されます。

さまざまなOSを選択できますが、今回はRaspberry Pi OSをインストールします。Raspberry Pi OSはラズベリーパイの公式OSです。比較的「Windows OS」に近い操作性で、アプリケーションの起動やファイル管理などがマウス操作により直感的にできます。
Raspberry Pi OSを選択するポイント
2025年1月時点で選択できるRaspberry Pi OSの種類は以下の通りです。
OS名 | ベースとなるDebian のバージョン | Raspberry Pi 5 | Raspberry Pi 4 Raspberry Pi 3 Raspberry Pi Zero 2 W Raspberry Pi 400 | Raspberry Pi Zero | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
Raspberry Pi OS(64-bit)(推奨) | Bookworm | 〇 | 〇 | - | 最新OSの64ビット版 |
Raspberry Pi OS (32-bit) | Bookworm | 〇 | 〇 | - | 上記の32ビット版 |
Raspberry Pi OS Full (64-bit) | Bookworm | 〇 | 〇 | - | アプリが充実している 容量は大きい |
Raspberry Pi OS Full (32-bit) | Bookworm | 〇 | 〇 | - | アプリが充実している 容量は大きい |
Raspberry Pi OS Lite (64-bit) | Bookworm | 〇 | 〇 | - | GUIなし 上級者用 |
Raspberry Pi OS Lite (32-bit) | Bookworm | 〇 | 〇 | - | GUIなし 上級者用 |
Raspberry Pi OS (Legacy,64-bit) | Bullseye | - | 〇 | - | 1世代前のOSを使いたい人用 |
Raspberry Pi OS (Legacy,32-bit) | Bullseye | - | 〇 | 〇 | 1世代前のOSを使いたい人用 |
Raspberry Pi OS Full (Legacy,64-bit) | Bullseye | - | 〇 | - | 1世代前のOSを使いたい人用 アプリが充実 |
Raspberry Pi OS Full (Legacy,32-bit) | Bullseye | - | 〇 | 〇 | 1世代前のOSを使いたい人用 アプリが充実 |
Raspberry Pi OS Lite (Legacy,64-bit) | Bullseye | - | 〇 | - | 1世代前のOSを使いたい人用 上級者向き |
Raspberry Pi OS Lite (Legacy,32-bit) | Bullseye | - | 〇 | 〇 | 1世代前のOSを使いたい人用 上級者向き |
BookwormまたはBullseye(Legacy)

OSには最新の「Bookworm」と、その前の「Bullseye」の2つのバージョンがあります。Raspberry Pi 4やZero 2などを使用する場合は、どちらのバージョンも選択可能です。
Bookwormを使用するときには、以下の点に注意してください。
- pipで仮想環境が必要
- Bookwormに対応していない周辺機器がある
Raspberry Pi 4を使っていて上記に不安な方は、Bullseyeを選択することを推奨します。2025年1月時点ではBookwormに関する情報が少ないため、さまざまな使用方法を調べる際に困ることが多いからです。
32ビットまたは64ビット
Raspberry Pi OSには32ビット版と64ビット版があります。32ビット版はメモリ消費が少ないため、メモリ容量が少ないモデルに適しています。64ビット版は高性能なソフトウェアの利用や大容量メモリを活かしたい場合に向いています。
FullまたはLiteまたは通常版
Raspberry Pi OSには、Full版、Lite版、そして通常版の3種類があります。「Raspberry Pi OS(64-bit)」のように、FullやLiteと記載されていないものが通常版です。

Full版(Raspberry Pi OS Full)は、通常版よりも多くのアプリケーションがプリインストールされています。
Lite版(Raspberry Pi OS Lite)はデスクトップ画面がないため、すべての操作をコマンドラインで行います。GUIがない分、処理速度は速いですが、初心者は避けたほうが無難です。
ストレージを選択する
OSを選択したら、「ストレージを選択」をクリックします。

SDカードを選択します。

「次へ」クリックします。

OSを書き込みする
カスタム設定をするかどうかの表示が出ますが、ここでは「いいえ」をクリックします。

カスタム設定では画面に沿って情報を入力すると、以下の設定をOSのインストールと同時に書き込むことができます。
- ホスト名
- SSHの有効化
- ユーザー名
- パスワード
- Wi-Fi
- 言語・地域
上記はラズベリーパイ起動後でも設定できるため、今回は設定をせずにそのまま書き込みします。

「はい」をクリックすると書き込み開始します。イメージファイルの書き込みが完了するまで、しばらく待ちます。

書き込みが完了したら、作業用PCからmicroSDカードを取り出します。

書き込み時間はOSの種類や作業環境により異なりますが、僕は8分で完了しました。
手順②:ラズベリーパイ本体の準備
ラズベリーパイ本体を起動する準備をします。
本体にmicroSDカードをセットする
Raspberry PiにOSを書き込んだmicroSDカードを挿入します。

カードが少しはみ出ますが問題ありません。

本体にケーブル類を接続する
今回はRaspberry Pi 4を例に、周辺機器の接続方法を解説します。Raspberry Piを起動させる前に、キーボード、マウス、ディスプレイを接続しておきます。
チェックポイント
ラズベリーパイは電源ケーブルを挿した瞬間に起動して、microSDカード内のOSを読み込み始めてしまいます。このため、電源は最後に接続しましょう。

手順③:ラズベリーパイの起動
電源ケーブルを接続すると、ラズベリーパイが起動します。

起動直後は以下の画面が出ますが、そのまま待ちます。

初回起動は少し時間がかかります。

手順④:ラズベリーパイの初期設定
Raspberry Piを使用するための初期設定を行います。設定用のウィンドウが出たら、「NEXT」をクリックします。

「Set Country」というウィンドウが出るので、Japanを選択します。「Language」はJapaneseを、「Timezone」はTokyoを選択します。

チェックポイント
ここではラズパイの使用地域に合わせた言語、タイムゾーン、国を設定して、システムのロケールや時刻設定を行います。
次にユーザー名とパスワードを設定をします。Raspberry Piの起動時に入力する(起動時のパスワード入力は設定により省略も可能)ので、どちらも忘れないように控えておいてください。パスワードは確認のため2回入力します。

ディスプレイの外枠付近に何も表示されていない(黒くなっている)領域がある場合は、「Set Up Screen」のボタンをチェックします。

チェックした場合は、再起動後に画面の大きさが調整されます。

「Next」をクリックします。
使用できるWi-Fi(無線LAN)が表示されます。

使用するWi-Fi(無線LAN)を選択し、「NEXT」をクリック。

Wi-Fiのパスワードを入力して「NEXT」をクリックします。
(Bookwormを選択した場合のみ)ブラウザの選択をします。Legacyでは以下の表示は出ません。

Chromiumは軽量でGoogle Chromeに似たブラウザですが、日本語入力には対応していません。、Firefoxはプライバシー保護に優れたブラウザです。この2つから選択可能で、設定は後からでも変更できます。

次にアップデートのウィンドウが出るので「NEXT」をクリックすると、ソフトウェアのアップデートが開始されます。

チェックポイント
「Skip」を押すとアップデートをせずに初期設定が終了します。アップデートをしないと日本語入力が使用できなくなる場合があります。

アップデートには30分位かかる場合があります。気長に待ちましょう。完了すると以下の画面になるので「OK」をクリックします。

「Restart」ボタンを押して、Raspberry Piを再起動させます。

再起動させると、設定した内容が反映されます。
日本語入力の設定
再起動したら日本語入力できるようにしておきましょう。

ターミナルを開いて、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。このコマンドは、日本語入力システム「fcitx5」と「mozc」をインストールするためのものです。
sudo apt install -y fcitx5-mozc
再起動すると、日本語入力ができるようになります。
上部のメニューバーのキーボードアイコンをクリックすると、日本語入力ができます。

初期設定をやり直す方法
問題が起きた際には、設定画面をもう一度開いて設定をやり直すことが可能です。手順は次のようになります。
まずターミナルを開きます。

以下のようなウィンドウが表示されます。

「sudo piwiz」と入力してenterキーを押すと初期設定画面が開きます。
sudo piwiz

画面表示に従って再度設定していきます。

インターネットを使ってみる
インターネットに繋がっているか試してみましょう。
まず、デスクトップ画面でブラウザのアイコンをクリックします。

ブラウザが開き、Raspberry Piの公式ページが表示されます。


上部のメニューバーのキーボードアイコンをクリックすると、日本語入力ができます。

キーボードアイコンが無い場合は、以下のコマンドを実行してから再起動します。
sudo apt install -y fcitx5-mozc
チェックポイント
初期設定時にアップデートまで完了していないと、日本語入力へ切替できません。切替できない場合は設定をやり直す方法を参考に再度設定してみてください。
そぞらブログが表示できました!

ラズベリーパイをシャットダウンする
シャットダウンするにはメニューを開いて、「ログアウト」をクリックします。

「Shutdown」をクリックすると、シャットダウンできます。

ラズベリーパイを遠隔操作するためのツール
ラズベリーパイのセットアップが完了したら、遠隔操作の方法も押さえておくと便利です。Raspberry Pi Connectを使えば、インターネット経由で手軽にアクセスでき、VNCを利用すればローカル環境で快適に操作できます。さらに、WinSCPを活用すれば、ファイルの転送がスムーズに行えます。
Raspberry Pi Connect

Raspberry Pi Connectは、Raspberry Pi財団が提供する公式のリモートアクセスツールです。インターネット経由でラズベリーパイに安全に接続できます。ブラウザ上でデスクトップを操作したり、ターミナル(Remote shell)を使ってコマンドを実行したりできます。
例えば、自宅のRaspberry Piに接続したカメラの映像を外出先から確認したり、離れた場所のデバイスを遠隔操作したりする際に便利です。
Raspberry Pi Connectの使用方法は以下の記事で詳しく解説しています。
≫ 外からラズパイを操作!Raspberry Pi Connectの設定方法
VNC

LAN内での接続を前提とするVNCは、Raspberry Pi Connectと比べて接続までの時間が短く、素早くリモート操作を開始できます。インターネット接続なしでも利用できるため、オフライン環境でも利用できます。低遅延でマウスやキーボードの入力がリアルタイムに反映されるため、細かい操作をする場合にはVNCのほうが快適です。

家の中にあるラズベリーパイをモニターやマウス、キーボードなしで使いたいときに便利です。
VNCの使用方法は以下の記事で詳しく解説しています。
WinSCP

WinSCPはWindowsで動作するファイル転送ソフトで、Raspberry Piなどのリモートデバイスとの間で簡単にファイルをやり取りできます。SFTPやSCPなどのプロトコルに対応しており、安全にデータを転送できるのが特徴です。エクスプローラーのようなインターフェースで直感的に操作でき、ファイルのアップロードやダウンロードがスムーズに行えます。
WinSCPの使用方法は以下の記事で詳しく解説しています。
≫【ラズベリーパイ入門】ラズパイとPC間でファイルを移動(転送)する方法(WinSCP)
コメント一覧
とても分かりやすくて参考になりました✨ありがとうございます(*・ω・)*_ _)
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今後も皆様のお役に立てるよう改善を進めてまいります。
非常にわかりやすく説明されて初心者の自分には有り難いです。有り難う御座います。
ブログを見ていただきありがとうございます。
今後もお役に立てる情報を提供できるよう、改善していきます。
いつも拝見させて頂いております。ラズパイ4を最近購入しbookwormのOSをインストールしました。プログラムをコピペし実行すると#コメントの日本語がエンコーディングエラーとなってしまうみたいです。これはOSがbookwormだからでしょうか。
ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
Raspberry Pi OSのBookwormバージョンでは、VNCを介してコピーペーストを行った際に文字化けが発生するなどの問題があります。これはWayland(wayfire)という新しいディスプレイサーバーを使用するようになったことが原因のようです。
私自身いくつかの対応方法を試みましたが、残念ながらうまくいきませんでした。そのため、現時点では、ウェブサイトからプログラムをコピペする場合、Raspberry Pi上のブラウザから直接ウェブサイトにアクセスしてコピペする方法が有効かと思われます。
丁寧な説明ありがとうございます。Raspbery Pi 4 400 を購入したままで使い続けてきたが、最近、ブラウザーの動きがおかしくなったので、最新のOSを入れることを決断した。この記事はありがたい。
わかりやすく書いていただきありがとうございました。